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RoboCup SSL Rootsの回路を分析!【4:エンコーダ・ボールセンサ基板のブロック図】

こんにちは。ロボカップSSLに出場するチームRootsと雷です。

チームではソフト開発を担当していますが、このブログでは回路班の新人としてがんばります。

4回目の今回は、エンコーダ基板とボールセンサ基板のブロック図を作成します。

Rootsのロボットとは

Rootsのロボットに限らず、ロボカップSSLに出場しているのはこんなロボットです。

直径180 mm、高さ150 mmの大きさで、

オムニホイールで全方向に移動して、

ゴルフボールをキックするサッカーロボットです。

エンコーダ基板

まずはエンコーダ基板です。 エンコーダ基板はモータの後ろに取り付けられ、 モータ裏に付いた磁石の磁気を読み取り、 モータの回転角度を検出します。

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モータユニット(3Dモデル)

エンコーダ基板の回路図を見る

エンコーダ基板の回路データはGitHubに公開してあります。 2017年から2019年まで同じ基板を使用しています。

github.com

このデータをGitHubからダウンロードしましょう。

データを閲覧するためには回路CADソフトのEAGLEが必要です。 ダウンロード&インストールしましょう。

www.autodesk.co.jp

それではダウンロードしたファイルの中から、 回路図/Encoder_AS5145B.schをEAGLEで開きます。

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エンコーダ基板回路図

回路図が表示されました。

また、ファイルの中には部品表(Encoder_AS5145B - Encoder_AS5145B.pdf)があるので、 こちらも参考にしましょう。

エンコーダ基板の回路ブロック図

作成した回路ブロック図がこちらです。

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エンコーダ基板 回路ブロック図

エンコーダ基板にはロータリエンコーダICのAS5145が搭載されています。 ICが出力するA相B相の信号が、メイン基板のマイコンに送信されます。

ICの他には、回転角のインクリメント・デクリメントを表示するLEDと、 モードを切り替えるジャンパーパッド(ハンダを盛り付けてショートさせるパッド)が搭載されています。

メイン基板と比較すると、エンコーダ基板はシンプルな構成ですね。

ボールセンサ基板

次にボールセンサ基板です。 ボールセンサ基板は、LED基板受光基板の2枚構成で、ドリブラーユニットに組み込まれます。

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ドリブラーユニット(3Dモデル)

2枚の基板はドリブラーユニットの両サイドに取り付けられています。 ドリブラーにボールがないときは、LEDの光が受光基板に届きます。 ドリブラーにボールがあるときは、LEDの光が遮られます。 これにより、ボールの保持状態を検出できる仕組みです。

ドリブラーユニットを分解するブログ記事があるので、こちらも参考にしてください。

kuwango.hatenablog.com

ボールセンサ基板の回路図を見る

ボールセンサ基板の回路データもGitHubに公開してあります。 2017年から2019年まで同じ基板を使用しています。

github.com

このデータをGitHubからダウンロードしましょう。 ダウンロードしたファイルの中から、 回路図/01_Senser/Senser_ver.1.schをEAGLEで開きます。

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ボールセンサ 受光基板回路図

受光基板の回路図が表示されました。

LED基板のデータは回路図/02_LED/LED_Ver.1.schです。

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ボールセンサ LED基板回路図

また、ファイルの中には部品表(BallSensor.pdf)があるので、 こちらも参考にしましょう。

ボールセンサ基板の回路ブロック図

作成した回路ブロック図がこちらです。

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ボールセンサ基板 回路ブロック図

ボールセンサ基板は2枚構成ですが、それらがケーブルにつながり、 最終的に3本のケーブルがメイン基板に接続されます。

受光基板にはフォトICのS8119が搭載されます。 このICは受光機能だけでなく、LEDの制御機能も持っています。 つまりLED基板のLEDを制御しているのは、メイン基板ではなく受光基板のICなのです。

まとめと次回予告

今回はエンコーダ基板とボールセンサ基板のブロック図を作成しました。

次回からメイン基板の回路分析を始めます。